大切な家族や友人がカルト宗教に入ったらどうするべきか

こんにちは、田部(たぶ)と申します。

私は同人サークル「新興宗教桶教」の代表です。主に当サークルの主張の宣伝(いわゆる布教活動)を目的として、サークルの運営を行っております。詳しくは以下のリンクに記載されていますが、今回の話との関連性はありませんので、以下のリンクは確認せずに読み進めていただいても問題はありません。

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さて、世の中には様々な宗教団体が存在しますが、その中には、信者の方に生活の負担になるほどの金銭を徴収したり、強引な勧誘を強制的に行わせたりするなどの、いわゆる「カルト宗教」と呼称される団体も混じっている……という話は、どこかで耳にしたことがあるでしょう。あるいは、もうすでに知り合いが関わっているという方もいらっしゃるかもしれません。

私も布教を行うという立場上、こうした団体が問題を引き起こすことがあるということは認識しております。家族や友人が「カルト宗教」と関わって人生を破滅させてしまったらどうしようと不安に駆られる気持ちも理解できます。

できることなら、周りの人にカルト宗教をやめてほしいと思うことは自然な感情ですが、だからといって、焦って闇雲にカルト宗教を否定しても、ほとんどの場合は逆効果になってしまうのです。

そこで今回は、周りの人がカルト宗教に関わりを持っている、あるいは持ちそうだという場合に、どんな行動を取るべきなのかについてを考えていきましょう。

知人が宗教団体に所属していることがわかったら

まず……その団体が本当にカルト宗教かどうか調べてみてください。

宗教なんてどれも信用できないと切り捨てたくなるかもしれませんが、まっとうな活動をしている宗教も数多く存在します。基本的に、よい宗教を信じることは、この国では信教の自由の名の下に守られています。宗教なんかやるな! という無理強いをしてしまうと、最悪の場合、止めた側が加害者としてみなされてしまう可能性すらあります。

知人が話す団体を調べてみて、悪い噂もあるし、所属することに関して少し冷静になってほしいと思うのであれば、話し合いの場を設けてみましょう。

相手の話を否定しない

そもそも、彼らがカルト宗教に入ろうと思い立っているのは、それが本当に良いものであると信じているからです。そこを無理に引き剥がそうとしても、相手からすれば自分の邪魔をされているという不快感しか湧き上がってこない場合がほとんどです。実際、カルト宗教側でも、そういった感情を持つように「教育」が行われます。理解の無い親や友人に止められても振り切るべきだ、そうできなければ不幸になるという刷り込みが一度入ると、これを振り払うことは難しいものになります。

ですから、話をする機会があれば、まずは相手を否定しないことを心がけてください。

どのような形であれ、宗教を始めるきっかけは自分や世の中をより良くしたいという善意から来ることがほとんどです。話を聞く機会があれば、まずは、その善意を肯定してあげてください。あの宗教は悪い噂が多い、悪質なのだと強く詰め寄っても、相手からすれば、ただ考えを否定されていると感じてしまい、ますますカルト宗教へ依存していきます。

間違っても、自分がカルト宗教に掛け合って知人を守ろうなどと考えてはいけません。彼らは「プロ」です、一度話してしまうと、彼らの考え方に容易に染まってしまいます。

一番の秘訣は、手を差し伸べ続けること

皆様が知りたいのは、相手の気持ちを受け入れて、次は何をやったら辞めさせることができるのかということでしょうが……悲しいことですが、結局のところ、カルト宗教をやめさせる明確な方法というのは存在しません。

大切なことは、その人がカルト宗教の団体で活動をする中で、疑問や不安が出てきたときに、自分や他の第三者に相談してほしいと伝えることです。

カルト宗教をやめられない一番の原因は恐怖です。実のところ、多くのカルト宗教の活動は世間一般から著しくずれているため、長く続けるうちに疑問を持つことも多いのですが、辞めたら地獄に落ちる、不幸が起きると脅されたときに、他に相談できる相手がいないと続けるしか無くなってしまいます。

そのとき、何かあったら相談してほしいとあなたが手を差し伸べていれば、あなたがその人を大切に思っていることを示せていれば、その人はあなたをきっかけに変われるかもしれません。

必要に応じて、あなた自身も相談を受ける

とにかく、カルト宗教を信仰する人に対して、馬鹿にしたり、信仰する人そのものを否定したりするようなことは避けてください。あなたや社会から馬鹿にされ、否定されるほど、相手はカルト宗教以外に救いを見いだせなくなってしまいます。

そして、カルト宗教から誰かを助けることは容易ではありません。助けようとして一人で問題を抱え込んでしまうと、あなた自身が疲れ果ててしまうかもしれません。できることなら、あなたも他の誰かに問題を打ち明けて、心の平穏を保ってください。また、近くにカルト宗教の相談窓口などがあれば、それらを頼ってみるのもよいでしょう。

カルト宗教に疑念を抱き、抜け出すまでにどれだけの時間が掛かるのかは人それぞれです。ですが、大切な家族や友人がカルト宗教で苦しんでいるように見えるのなら、どうか根気強く接してあげてください。

私からのアドバイスは以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。