東方projectの「キスメ」ってどんなキャラクター?調べてみました!

※当サークル「新興宗教桶教」では、新興宗教桶教の信仰対象である「キスメ様」と、ZUN氏及び上海アリス幻樂団等が著作権を所有する作品群に登場する「キスメ」は別のものとして扱っています。桶教における「キスメ様」の解釈については、以下の記事を御覧ください。

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※本記事はZUN氏の「キスメ」への解釈について考察するための資料として、氏の「キスメ」に関する記述をまとめたものであり、本記事の内容は桶教の「キスメ様」への信仰や解釈とは何ら関わりのあるものではありません。

はじめに

ゲームクリエイターのZUN氏が制作するゲーム、「東方Project(東方)シリーズ」(本人はシリーズではないと発言していましたが、ここでは便宜上、一連の作品をこのように表現します)は、ゲーム性や音楽のクオリティの高さや、二次創作に寛容であったことから、各種SNSや動画サイトで人気が上昇し、現在では小学生から中高年にまで、幅広い層からの人気を博しています。

さて、多種多様なキャラクターが登場する東方シリーズですが、その中の一人である「キスメ」について、ネット上では「何をしているのか分からない」「いつ出てきた?」など、あまり良い印象を持たれていないようです。

今回は、そんな謎多きキャラクター、キスメについて調べてみました!

キスメとは?

釣瓶落とし。「鬼火を落とす程度の能力」を持つ。狭い所が好きな妖怪で、釣瓶の中に入った状態で登場する。外見に反して凶暴な妖怪であり、近づく人間の首を問答無用で刈り取り、そのまま桶に入れて持ち去ってしまうとされる。さらに「文々。新聞」にも、彼女と思われる釣瓶落としが起こした怪事件が掲載されている。

引用: 東方地霊殿 〜 Subterranean Animism. – Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%96%B9%E5%9C%B0%E9%9C%8A%E6%AE%BF_%E3%80%9C_Subterranean_Animism.#%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9)

調べてみたところ、人に襲いかかる凶暴な妖怪だそうです!

また、東方シリーズの作品を一通り調べてみましたが、キスメが会話をするシーンは存在しませんでした。このあたりも、問答無用で首を刈り取るという性格を感じさせますね!

ゲームでの出番は?

東方地霊殿

2008年発売の東方シリーズ11作目です。ステージ1面の途中に登場します。 使用するスペルカードは、怪奇「釣瓶落としの怪」 のみとシンプルです。 また、難易度がHARD以上でないとスペルカードを使用してこないため、立ち絵が表示されないことも知名度の低い原因かもしれません!

■地霊殿 – 有効回答数:12929人
未クリア 2741人 21.20%
EASY 3430人 26.53%
NORMAL 5408人 41.83%
HARD 843人 6.52%
LUNATIC 507人 3.92%

引用: 第6回東方シリーズ人気投票 投票者アンケート結果(http://thwiki.info/th/vote6/result_anq.html)

こちらは東方地霊殿発売後の人気投票の際に集計されたアンケート結果(あくまでも非公式なもの)ですが、HARD以上をクリアしているプレイヤーは全体の1割程度と仮定すると、地霊殿をやっている9割のプレイヤーは、キスメのことを認識していないと言っても良いかもしれません! 好き嫌い以前に、存在を知られていなから不人気なのかも……。

ダブルスポイラー

敵の弾幕を「撮影」するユニークな番外編「東方文花帖」の続編である「ダブルスポイラー」にも登場しています。

LEVEL3にて、釣瓶「飛んで井の中」、釣瓶「ウェルディストラクター」の2つを使用しています!

作中では、幻想郷の中でもとりわけ強力とされる射命丸文から「暴れられて取材ができない」と評されており、隠れた実力者なのかもしれません。

キスメがどんな弾幕を撃ってくるのか気になる方のために、以下の動画にキスメの全弾幕をまとめてみました! 参考にどうぞ!

書籍での出番は?

東方シリーズは、ZUN氏や漫画家の方が制作した書籍作品でもストーリーが展開されています。その中でキスメの登場しているシーンを探してみました!

グリモワール オブ マリサ

木の上やがけの上、洞窟の天井などから突然襲いかかってくるだけのスペルカード。不意打ちで無ければ驚くことは何も無い。

引用:ZUN『The Grimoire of Marisa』(一迅社、2009年)31ページ。

霧雨魔理沙がスペルカードを評価するという形で、過去作品のスペルカードを振り返るという一冊。地霊殿の怪奇「釣瓶落としの怪」について、上記のコメントをつけています。

ちなみに、2019年に発売した「The Grimoire of Usami 秘封倶楽部異界撮影記録」という本でも、過去作品に登場したスペルカードを、弾幕花火大会という体裁をとって紹介していますが、紅魔郷から天空璋までに登場するキャラクターの中で、スペルカードを使用したことのない風見幽香を除くとキスメだけ全く登場せず、スペルカードも紹介されていませんでした! 落丁を疑って調べてみましたが、どうやら違うようです。なにか事情があるのでしょうか!?

東方求聞口授

博麗霊夢が妖怪の悪行を説明する場面で使用された新聞の1つに、釣瓶落としが白骨死体を放り投げたという記事が載っているものがありました。

新聞のイラストにはキスメと思われるキャラクターが載っていましたが、本文で明確に名前が出されることはありませんでした。

―――キスメや椛などの中ボスは?
ZUN キスメとか……普段何やってるかわかんないね。ただ、かなり凶暴なイメージです。問答無用で首を刈ってきて、桶に入れて持って帰るという。あの首もキスメの首じゃないかもしれないね。
―――怖ッ!
ZUN まああの顔は本人のものなんだけど、ちょっとそれくらいイヤなキャラです。

引用:ZUN『東方求聞口授 ~ Symposium of Post-mysticism.』(一迅社、2012年)183ページ。

巻末のおまけインタビューでは、ZUN氏はキスメの凶暴性について語っていました。

登場作品ごとに性格や口調が変わる東方シリーズで、一貫して凶暴な性格であり続けているのは、むしろ珍しいかもしれません。

東方文果真報

<水瓶座>
弾幕:怪奇:「釣瓶落としの怪」
使用者:キスメ
これは当たると脳挫傷で死ぬ。
石頭なら生きる。
だが頭に深刻なダメージを負うので死んだほうがラッキー。
きっちり死のう。

引用:ZUN『東方文果真報 Alternative Facts in Eastern Utopia.』(KADOKAWA、2017年)101ページ。

射命丸文が企画した週刊誌という体裁のこの本では、コラムのひとつ「霧雨魔理沙のラッキー弾幕占い」にて名前が登場しています。

物騒な内容ですが、このコラムは12星座全ての解説がこの調子なので、キスメだけが特別悪く言われているわけではありません。

東方Project人妖名鑑 常世編

illstrator
水中花火
「地霊殿」で最初に出てくることもあって旧地獄妖怪の中ではのほほんとしてるイメージもあったのですが、「ダブルスポイラー」の物騒な二つ名や「求聞口授」の記事で急に人骨を投げつけてきたりするロックな姿勢で正統派妖怪と前述のイメージが合流し、自分の中では極めてキャラが立った怖可愛いキスメちゃんです。

ZUN
釣瓶落とし、という意味不明な妖怪です。
絵としては釣瓶に入っている子供というシンプルなもので、どういう格好をしているのか良く判りませんね。
壺に入ったおっさんがハンマー一つで山を登るゲームありましたよね。あれに近い物を感じます。

引用:ZUN『東方Project人妖名鑑 常世編』(KADOKAWA、2020年)62ページ。

東方Project作品のキャラクターが書き下ろしイラストと共に紹介されている「東方Project人妖名鑑」の常世編にキスメが掲載されています。

キスメを含め、掲載されているすべてのキャラクターに、プロフィール紹介+キャラクターのイラスト+イラストレーター・ZUN氏からのコメントが付いています。本書はZUN氏監修ということもあり、ZUN氏がどのようにキスメを解釈しているか理解したい方の参考となる一冊です。

東方三月精 Oriental Sacred Place

単行本2巻収録の第10話にて、紫が陰陽玉に通信機能を仕込んだままにしていたことを霊夢に説明するコマに描かれた、地底世界のイメージの中に登場しました。セリフはありません。

東方鈴奈庵 ~Forbidden Scrollery.

単行本1巻収録の第2話に登場する魔理沙が水を汲むシーンで、井戸の中にキスメがいる1コマがありました。ただ、その後のストーリーとは関わりがなかったので、作者の「お遊び」に近いかもしれません。

キャラ☆メル Vol .7

ZUN氏へのインタビューDVDが付録として付いており、DVDの映像では「かなり古い時代の呼ばれ方」や「弱そう」というイメージをつけるためにキスメの名前をカタカナ表記にしたことや、「正直一発ネタ」と語っているシーンが収録されていました。

東方香霖堂 ~ Curiosities of Lotus Asia.

昨日、釣瓶落としのことを少し考えたのだが、秋の日は釣瓶落としの「釣瓶落とし」とは、「井戸に落とす釣瓶」のことではなく「妖怪の名前」だということではないか。釣瓶落としは、闇夜に木の上から襲いかかる妖怪である。つまり、秋が深まると釣瓶落としが出やすくなるということではないだろうか。これなら、速度と時間の問題は生じない。

引用:ZUN『東方香霖堂 ~Curiosities of Lotus Asia.』(アスキー・メディアワークス、2010年)113ページ。

キスメとは直接関係しませんが、15話にて、霖之助が釣瓶落としという言葉の意味を考察する描写がありました。

東方求聞史紀 記憶する幻想郷

『Comic REX 2006年12月号』に掲載された作品ですが、この作品は単行本化されておらず、ファンの間では掲載号が高値で取引されています。

訪れる 妖鬼妖怪 恐ろしさ 釣瓶落としか ツルベオトシか

どうも、ZUNです。

どんどんと妖怪が恐ろしくなくなりますね。その速度は、秋の夕日と同じで、釣瓶落としの如くです。

でも幻想郷には、釣瓶落としという妖怪も居るのでややこしい事その上ないですな。

引用:『Comic REX 2006年12月号』(一迅社、2006年)付録。

作中にキスメは登場しませんが、掲載号の付録であるイラストペーパーで、妖怪の釣瓶落とし(=キスメ)に言及する内容が書かれています(「その上ない」という表記は原文ママ)。

おわりに

今回の記事はいかがでしたか?

登場作品については一通り確認したつもりですが、もしも抜けがある場合はご連絡いただけると幸いです。それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!